気がつけば、あなたは見覚えのないページを開いていました。
リンクを踏み間違えたのか、あるいは気まぐれにURLを打ち込んだのか。 理由はどうあれ、ここはブログの表通りとは違う場所。 棚の奥にしまわれたノート、開かれたままの夢日記、静かに息づく言葉たちが並ぶ、ひそやかな書斎です。
ここにあるのは、誰かの人生を変えるような大きな物語ではありません。 たとえば、誰かの引き出しの底に眠っていた手紙。 深夜の自販機でだけ売られている、名前も知らない飲み物。 あるいは、目が覚めたあとに忘れてしまった夢のかけら。 そんな、小さくて、少しだけ歪んだ記録たちです。
誰にも見つからなくてもいい。 けれど、誰かに見つけてほしい。 そんな矛盾を抱えながら、ここにそっと置いていきました。
もしあなたが偶然ここへたどり着いたのなら、それは何かの縁かもしれません。 どうぞ、気の向くままに、扉をひとつ開いてみてください。
あなたの午後に、ほんの少しの余白と、静かな不思議を添えられたなら。 それが、なによりの喜びです。